ふわふわの毛をまとったフレンチブルドッグの写真を見て、これは本当にフレンチブルドッグなのだろうかと手が止まった方は多いと思います。短い毛がこの犬種の特徴だと聞いていたのに、耳のまわりや胸に長い毛が生えている子がいる。この不思議さが、フラッフィーフレンチブルドッグという呼び名が広がったきっかけです。
珍しいから高い、という説明はよく見かけます。ただ、なぜ生まれるのかという肝心なところまで書かれていることは、思ったより少ないままです。
そこでこの記事では、長い毛がどういう仕組みで現れるのかを遺伝の話から順番にほどいて、犬種標準の記述と1項目ずつ照らし合わせました。見分け方や値段の考え方、迎える前に確かめたいことまでまとめています。
- 長い毛が現れる仕組みと、両親の組み合わせごとの生まれ方
- 犬種標準に書かれている記述と、長い毛のどこが食い違うのか
- 見分けるときに見る4か所と、はっきりさせる方法
- 値段が高くなる理由と、値段の幅を見るときの確かめ方
- 増えるお手入れ3つと、健康で気をつけること
フラッフィーフレンチブルドッグがなぜ生まれるのかは劣性遺伝で説明できます

フラッフィーフレンチブルドッグの長い毛は、毛の伸びる期間を決める遺伝子の変化が、両親から1つずつそろったときに現れます。ミックス犬だから毛が長いわけではなく、フレンチブルドッグどうしの子でも生まれます。
短い毛の親どうしからでも長い毛の子が生まれるのは、毛を長くする側の変化が隠れて受け継がれるからです。
この隠れて受け継がれる性質を、遺伝の世界では劣性と呼びます。表に出ないまま何代も伝わるので、ある日突然あらわれたように見えるわけです。
長毛の遺伝子は両親から1つずつそろったときだけ表に出ます
毛の長さに関わる遺伝子はFGF5という名前で、毛が伸び続ける期間を止める合図を出す役割を持っています。この合図がうまく出せなくなる変化が起きると、毛は止まらずに伸びて長くなります。
学術誌ゲノム関連誌のGenes(2025年16巻8号927)に載った秋田犬の研究では、犬の長い毛に関わるFGF5の変化が5つ報告されていると整理されています。そして、多くの犬種でこれらは常染色体劣性という形で長い毛を決めている、と書かれています。
この5つの変化には、遺伝子検査を扱う機関がL、L2、L3、L4、L5と呼び分けている呼称があります。そのうちL4と呼ばれる変化は、アフガン・ハウンド、ユーラシアー、そしてフレンチブルドッグで見られると、欧州の遺伝子検査機関スロブゲンが検査項目の説明に記載しています。
つまり「FGF5」は遺伝子の名前で、「L4」はその中の変化の1つを指す呼び名です。どちらか片方だけを見かけることが多いので別の話のように思えますが、指しているものは同じです。
キャリア同士の組み合わせでは4頭に1頭ほどの割合になります
子は父から1つ、母から1つ、対になる遺伝子を受け取ります。長い毛が表に出るのは、受け取った2つとも毛を長くする側だったときだけです。
1つだけ持っている子は、見た目は短い毛のままで、その性質を次の代へ渡します。この状態をキャリアと呼びます。両親の組み合わせごとに、生まれる子の内訳は次のように整理できます。
| 両親の組み合わせ | 生まれる子の内訳(計算上の割合) |
|---|---|
| 長い毛 × 長い毛 | すべて長い毛 |
| 長い毛 × キャリア | 半分が長い毛、半分がキャリア |
| 長い毛 × 持っていない子 | 長い毛は生まれず、すべてキャリア |
| キャリア × キャリア | 4頭に1頭が長い毛、2頭がキャリア、1頭は持っていない |
| キャリア × 持っていない子 | 長い毛は生まれず、半分がキャリア |
| 持っていない子 × 持っていない子 | 長い毛は生まれない |
表を上から下へ読むと、長い毛の子が出てくる組み合わせは6通りのうち3通りだけだと分かります。しかも短い毛の親どうしで長い毛が出るのは、両方がキャリアだった1通りだけです。
ここが「珍しい」と言われる理由の中身です。狙って増やそうとしても、キャリアかどうかは見た目では分からないため、数がそろいません。

表の割合は計算上の数字なので、実際の一腹で必ずそのとおりに分かれるわけではありません。
突然変異で急に現れたわけではありません
長い毛の子は、ここ数年で新しく生まれるようになった存在ではありません。隠れて受け継がれる性質なので、表に出る機会が少なかっただけです。
フレンチブルドッグは1880年代のパリで、複数の犬種をかけ合わせて作られた犬種です。作られる過程でさまざまな血が入っているので、毛を長くする側の変化が最初から集団の中に残っていたと考えられます。
そのうえ、犬種の姿を定めた基準では長い毛が想定されていません。繁殖の目的にされてこなかったので、キャリア同士が意図的に組み合わされることも少なかったわけです。
ミックスだから毛が長いという説明との違い
長い毛の子について、長毛の犬種と交配した結果ではないかという説明を見かけることがあります。実際にはどちらも起こりえるので、目の前の1頭がどちらなのかは見た目では決まりません。
ただ、確かめる方法は分かれています。交配によるものかどうかは両親の記録をたどれば分かり、遺伝子の変化によるものかどうかは検査で調べられます。
ミックス犬は成長すると見た目がどちらの親に寄るか読みにくく、迎えたあとに驚くことがあります。この読めなさについてはチワプー成犬の大きさと見た目の変化でも数字を並べて整理しました。
フラッフィーとは長い飾り毛が出たフレンチブルドッグのことです

フラッフィーは新しい犬種の名前ではありません。フレンチブルドッグという犬種の中で、長い飾り毛が出た個体を指す呼び方です。
体つきや顔のつくりは短い毛の子と同じで、変わっているのは毛の長さだけです。ここを取り違えると、別の犬種を迎えるような心づもりになってしまいます。
毛が長くなるのは耳の後ろ・首まわり・胸・脚・尾のつけ根です
全身がふさふさになるのではなく、部分的に長い毛が出るのが特徴です。背中は比較的短いままで、耳の後ろや首まわりに柔らかい毛が集まります。
胸から前脚の後ろ、尾のつけ根にも飾り毛が出ます。触るとやわらかく、短い毛の子のぱりっとした手ざわりとは別物です。
「フラッフィー」「長毛フレブル」「ロン毛フレブル」は同じ個体を指します
呼び名は3通りありますが、指しているものは同じです。英語のふわふわという言葉をそのまま使ったのがフラッフィーで、日本語で言い換えたのが長毛や、くだけた言い方のロン毛です。
呼び名が分かれていると、調べる言葉によって出てくる情報も変わってしまいます。探すときは3つとも試してみると、抜けが減ります。
性格や体つきは短毛の子と変わりません
ジャパンケネルクラブが公開しているフレンチブルドッグの犬種標準では、習性と性格の項に「社交的、且つ、活発で、遊び好きで、独占欲が強く、鋭敏なコンパニオン・ドッグである」と書かれています。毛の長さで性格が変わるという記述はありません。
体の大きさも同じ範囲で考えて差し支えありません。標準では体高が牡27cmから35cm、牝24cmから32cm、体重が牡9kgから14kg、牝8kgから13kgと定められています。
ただし性格には個体差があります。同じ一腹の兄弟でも、人にすぐ寄っていく子と、しばらく様子をうかがう子がいます。
犬種標準とフラッフィーの見た目を1項目ずつ照らし合わせました

ジャパンケネルクラブが公開しているフレンチブルドッグの犬種標準(FCIスタンダードNo.101・最終更新2025年4月8日)を2026年9月4日に確認し、フラッフィーと呼ばれる子の見た目と1項目ずつ突き合わせました。
食い違うのは被毛の項目だけで、それ以外はすべて基準の中に収まります。
| 項目 | 犬種標準の記述 | 長い毛の子はどうか |
|---|---|---|
| 被毛 | 一般外貌に「被毛は滑らかで」 | 飾り毛が長く伸びるため食い違う |
| 耳 | 「耳は直立し」 | 同じ(毛が長いだけ) |
| 尾 | 「生まれつき尾は短い」 | 同じ |
| 毛色 | フォーン、ブリンドル、それぞれにホワイトの斑 | 毛の長さとは別の話で、色は基準の中の子も外の子もいる |
| 大きさ | 体高 牡27〜35cm/牝24〜32cm | 同じ |
| 性格 | 社交的、活発、遊び好き、独占欲が強く、鋭敏 | 同じ |
一般外貌には「被毛は滑らか」と書かれています
犬種標準の一般外貌の項には「小型のモロシアンである」から始まる説明が続き、その中に「被毛は滑らかで、しし鼻で、耳は直立し、生まれつき尾は短い」という一文があります。原文はこちらで読めます(一般社団法人ジャパンケネルクラブ フレンチ・ブルドッグ)。
滑らかな被毛という言い方は、短くて寝た毛を指しています。飾り毛が伸びる状態はここに当てはまらないので、基準の姿から外れるという整理になります。
ここで大事なのは、基準から外れることと、犬として問題があることは別だという点です。基準はショーで犬種の姿を保つための物差しで、家庭で暮らす犬の良し悪しを決めるものではありません。
認められている毛色は4つの組み合わせだけです
毛色の項には「フォーン、ブリンドル、及びそれぞれの毛色にホワイトの斑があるもの」と書かれています。つまり認められているのはフォーン、ブリンドル、フォーンに白斑、ブリンドルに白斑の4つの組み合わせです。
ブリンドルの説明には「濃い縞模様の被毛が地色のフォーンを覆ってはならない」という条件も添えられています。真っ黒に見える子は、この条件から外れている可能性があるということです。
毛色と毛の長さは別々の話ですが、販売の場面では「珍しい色」と「珍しい毛」がまとめて説明されることがあります。混ざったまま受け取らないほうが判断しやすくなります。
血統証明書に×印がつくと決められているのは毛色のほうです
ジャパンケネルクラブは、フレンチブルドッグの毛色の取り扱いについて別の案内を出しています。2018年9月1日以降の登録分から、基準の外にあたる毛色は血統証明書に×印が記載されると決められています。(フレンチ・ブルドッグの毛色の取り扱いについて)
×印の対象として挙げられているのは、ブラック、ブラック&ホワイト、ホワイト&ブラック、クリーム&ブラック、フォーン&ブラック、グレー&ホワイト、ホワイト&グレーです。濃い色でも「ダーク・ブリンドル」として登録すれば基準の中に収まる、という補足も添えられています。
この案内で扱われているのは毛色だけで、被毛の長さは対象に入っていません。ですから長い毛だから血統証明書が出ない、ということにはなりません。
基準の記述と実際の姿を突き合わせると、こういう線引きが見えてきます。同じやり方で別の犬種を確かめた例はマルチーズの性格悪いという評判を標準と照らし合わせた記事にまとめました。

血統証明書の記載は、迎える前に現物を見せてもらえば確かめられます。
フラッフィーフレンチブルドッグの見分け方は毛の生え方で確かめます

写真1枚で判断しようとすると迷いますが、見る場所を決めておくと確かめやすくなります。順番に4か所を見ていきます。
見るのは耳のふち・首まわり・脚の後ろ・尾のつけ根です
この4か所は、飾り毛がいちばん分かりやすく出る場所です。耳のふちは輪郭がぼやけて見え、首まわりは毛が立ち上がって襟のように見えます。
- 耳のふち:毛が飛び出して輪郭がぼやける
- 首まわり:襟のように毛が立ち上がる
- 脚の後ろ:太ももから飛節にかけて毛が垂れる
- 尾のつけ根:おしりの毛が長くふくらむ
正面からの写真だと、この4か所のうち2か所しか写りません。横向きと後ろからの写真も見せてもらうと判断しやすくなります。
短毛でも毛がやわらかい子との見分けがつきにくいことがあります
毛の長さは、長いか短いかの二択できれいに分かれるわけではありません。短い毛の子でも、首まわりの毛がやや長めでやわらかい子はいます。
子犬のうちは全身の毛がふわっとしていることも多く、そこだけを見て決めると後で印象が変わります。判断は成長を待つほうが確かです。
見た目で意見が分かれる子がいることは、迎える前に知っておいて損はありません。写真の見え方で高い値がついている場合もあるからです。
はっきりさせたいときは遺伝子検査という方法があります
被毛の長さは、遺伝子検査の項目として実際に扱われています。欧州の検査機関スロブゲンは、L4と呼ばれる変化の検査を、アフガン・ハウンド、ユーラシアー、フレンチブルドッグを対象として案内しています。
検査に使うのは血液か口の中をこすった綿棒で、繁殖の場面ではキャリアかどうかを確かめる目的で使われます。日本でも犬の遺伝子検査を扱う機関はあるので、必要なら動物病院で相談できます。
家庭で暮らす分には検査が要るわけではありません。ただ、迎えた子がキャリアかどうかを知りたい場面では、確かめる方法があると分かっているだけで気持ちが楽になります。
フラッフィーフレンチブルドッグの値段が高いのはなぜかを分けて考えます

犬には決まった値段がなく、犬舎や販売店がそれぞれ価格を決めています。ですから相場の数字を1つに決めて書くことはできませんが、値段が動く理由なら分けて説明できます。
数が少ないのは狙って生ませにくいからです
長い毛の子が高くなるいちばんの理由は、計画して増やしにくいことにあります。先ほどの表のとおり、長い毛が出るのはキャリア同士か、片方が長い毛の場合に限られます。
そのうえ、キャリアかどうかは見た目では分かりません。検査をしていない犬舎では、長い毛の子が生まれるかどうかは生まれてみるまで分からないことになります。
この犬種はもともと頭が大きく産道が狭いため、出産に手術が必要になることが多い犬種でもあります。1回の出産の負担が大きいところに、長い毛の子が出る割合の低さが重なります。
スタンダードから外れているのに高くなるというねじれがあります
犬の値段の付け方には、犬種標準に近い姿ほど高く評価されるという原則があります。ところが長い毛は、その標準の被毛の記述から外れているのに高い値がつきます。
ここが、値段を見るときにいちばん気をつけたいところだと私は思っています。高い値段は「基準に近い」という評価ではなく、「数が少ない」という事情から来ているからです。
値段が高いことと、健康であることや育てやすいことは、別々の話として見ていくほうが後悔が少なくなります。
値段の幅が大きいときに確かめる3つのこと
同じ長い毛の子でも、値段の幅はかなり開きます。幅の理由を確かめるために、次の3つを聞いてみてください。
- 両親ともフレンチブルドッグとして登録されているか
- 血統証明書はいつ渡されるのか、記載はどうなっているか
- 親犬の健康の検査を受けているか、結果を見られるか
3つとも書類や記録で確かめられることばかりです。答えをはぐらかされる場合は、値段の理由がその子の背景ではなく見た目だけにある可能性があります。
長毛のフレンチブルドッグに増えるお手入れは3つです

毛が長くなると、短い毛の子と同じお世話では足りない部分が出てきます。増えるのは大きく3つです。
毛玉ができやすいので週に数回のブラッシングが要ります
もつれやすいのは、耳の後ろ、脇の下、後ろ脚のつけ根の3か所です。どこも動きでこすれる場所なので、短い毛の子には無かった手間が増えます。
この犬種はもともと季節ごとに毛が生え変わり、抜け毛が多いことで知られています。抜けた毛が長い毛の中に残ると、それが毛玉の芯になります。
週に2回から3回、毛の流れに沿って根元から梳かすと、絡まる前に抜け毛を落とせます。1回に全身をやろうとせず、今日は上半身、明日は後ろ脚と分けても構いません。
乾かし残しが皮膚のトラブルにつながります
長い毛でいちばん気をつけたいのは、洗ったあとの乾かし方です。毛の内側が湿ったままだと、皮膚がふやけて荒れやすくなります。
もともとこの犬種は顔や尾のつけ根のしわに汚れがたまりやすい犬種です。長い毛が加わると、皮膚の状態が毛に隠れて見えにくくなります。
ブラッシングのついでに毛をかき分けて、赤み、ぶつぶつ、いつもと違うにおいが無いかを見ておくと早く気づけます。気になる状態が続くときは動物病院で相談してください。
夏は毛の中に熱がこもりやすくなります
フレンチブルドッグは鼻が短く、呼吸で体の熱を逃がすのが得意ではありません。そこに長い毛が加わると、熱の逃げ道がさらに減ります。
夏場は室温だけでなく湿度も見て、散歩は日が落ちて地面が冷めてからにしてください。歩いたあとに呼吸が戻るまでの時間が、いつもより長いと感じたら早めに切り上げます。
毛を短く刈れば涼しくなる、と考えたくなりますが、毛には日差しをさえぎる役割もあります。刈るかどうかは、かかりつけの動物病院やトリミングの担当者に相談してから決めるほうが安心です。
フラッフィーフレンチブルドッグの健康は犬種共通の弱点から考えます

毛が長いと体が弱いのではないか、という心配をよく見かけます。ここは分けて考えたほうが、必要な備えが見えやすくなります。
毛が長いこと自体が病気の原因になるわけではありません
毛の長さを決める遺伝子は、毛が伸びる期間に関わるものです。呼吸や関節のつくりを直接変えるものではないと考えられます。
ですから長い毛の子だから寿命が短い、という言い方には根拠が見当たりません。実際に増えるのは、前の章で挙げたお手入れの手間のほうです。
気をつける病気はふつうのフレンチブルドッグと同じです
鼻が短い犬種に共通する呼吸の負担、暑さへの弱さ、背中と腰への負担、皮膚のトラブルは、毛の長さに関係なく同じように気をつける必要があります。
家で先に気づけるのは、寝ているときの呼吸の音、散歩のあとに息が整うまでの時間、段差を上がるときの動きです。いつもと違う状態が続くときは、様子を見ずに動物病院で相談してください。
ここに書いたのはあくまで一般的な傾向で、目の前の子の状態を判断できるものではありません。心配なときは動物病院へ、が確実です。
「珍しい見た目」を優先した繁殖のほうが心配です
気にかけたいのは毛の長さそのものより、その毛を出すことを目的にした組み合わせが増えることです。珍しい見た目を優先すると、呼吸のしやすさや骨格、親犬の健康の確認が後回しになりかねません。
同じことは毛色でも言われてきました。認められていない色に高い値がつくと、その色を出すことが目的になってしまう、という指摘です。
迎える側が値段や珍しさ以外のところを見ていると伝われば、選ばれる犬舎も変わっていきます。ここは飼い主の側でできることだと思っています。
フラッフィーを迎える前に確かめたい5つのこと

ここまで見てきた仕組みを、迎える場面で使える形にまとめます。順番に確かめていくと、迷いどころが整理できます。
両親犬に会わせてもらえるか
親を見せてもらえるかどうかは、いちばん分かりやすい判断材料です。両親がフレンチブルドッグかどうかも、その場で自分の目で確かめられます。
会えない事情がある場合でも、写真や動画、登録の書類は見せてもらえます。何も出てこないときは、その理由を聞いてみてください。
健康の検査結果を見せてもらえるか
見せてもらう書類の名前をあらかじめ決めておくと、聞きやすくなります。健康診断の結果、ワクチンの接種記録、親犬が受けた検査の記録の3つです。
迎えたあとの相談に乗ってもらえるかどうかも、このときに確かめておくと安心です。
「珍しさ」だけを説明していないか
説明の中身が希少性の話だけで終わるときは、いったん持ち帰るのがおすすめです。その子の親、生まれた日、育った環境、性格の話が出てくるかどうかを聞いてみてください。
珍しさは説明しやすく、健康や気質は説明に手間がかかります。手間のかかるほうを話してくれるかどうかが、判断の材料になります。
毎日のブラッシングの時間を作れるか
長い毛の子と暮らすと、毎日の生活に手入れの時間が加わります。1回10分ほどでも、続けられる時間帯があるかどうかを先に考えておいてください。
ここは家族の中で誰がやるかまで決めておくと、あとで負担が偏りません。
短毛の子でもいいと思えるかどうか
最後は少し意地悪な問いですが、いちばん大事だと思っています。私だったら、毛の長さを条件にはしません。
理由は、犬種標準と照らし合わせた表のとおり、性格も体つきも短い毛の子と同じだからです。長い毛は数がそろわないので、条件にすると出会いを待つ時間が長くなり、そのぶん確かめる余裕も減ってしまいます。
迎える先を犬舎に決めきらなくてもよいと思います。里親を探している子の中にも、毛の長い子が出てくることがあります。
もちろん、あの姿にどうしても惹かれる気持ちも分かります。その場合は、待つ前提で犬舎を探し、待っている間に上の4つを確かめる目を作っておくのがいいと思っています。
フラッフィーフレンチブルドッグに関するQ&A

フラッフィーは血統証明書が出ないのですか
両親がフレンチブルドッグとして登録されていれば、血統証明書は発行されます。ジャパンケネルクラブが×印の記載を定めているのは毛色についてで、被毛の長さは対象に入っていません。ただし犬種標準の被毛の記述からは外れるため、ドッグショーで評価される姿ではありません。
フラッフィー同士を交配させたら全部長毛になりますか
計算のうえでは、生まれる子はすべて長い毛になります。長い毛の子は毛を長くする側を2つ持っているので、子には必ず1つずつ渡るからです。ただし毛の長さ以外の面まで良くなるわけではないので、繁殖の判断は毛の長さだけで決めるものではありません。
短毛の親から急に長毛が生まれることはありますか
両親がどちらもキャリアだった場合には起こります。キャリアは見た目が短い毛なので、生まれてはじめて分かることになります。計算上は4頭に1頭ほどの割合で、残りはキャリアか、毛を長くする側を持たない子です。
フラッフィーはミックス犬なのですか
フレンチブルドッグどうしの子でも長い毛は生まれるので、長い毛イコールミックスではありません。ただし長毛の犬種との交配で毛が長くなる場合もあり、見た目だけでは区別がつきません。両親の登録を確かめるか、遺伝子検査で確かめることになります。
フラッフィーは寿命が短いのですか
毛が長いこと自体が寿命を縮めるという根拠は見当たりません。気をつける病気は、鼻が短い犬種に共通するものと同じです。心配なことがあるときは、自己判断をせず動物病院で相談してください。
日本でフラッフィーを迎えることはできますか
迎えられますが、いつどこに出てくるかは読めません。長い毛を専門に扱う犬舎は国内では見かけず、ふつうの犬舎から生まれた子が出てくる形が多いためです。急がずに待てるかどうかが、迎え方を決めるときの分かれ目になります。
まとめ:フラッフィーフレンチブルドッグはなぜ生まれるのか
この記事では、フラッフィーフレンチブルドッグがなぜ生まれるのかを、遺伝の仕組みと犬種標準の記述から整理しました。
- 長い毛は毛の伸びる期間に関わる遺伝子の変化が両親からそろったときに現れる
- キャリア同士なら4頭に1頭ほどの割合で、短い毛の親からでも生まれる
- 犬種標準と食い違うのは被毛の項目だけで、性格や大きさは同じ
- 血統証明書に×印がつくと定められているのは毛色のほうで、毛の長さは対象外
- 値段の高さは希少性から来ていて、基準に近いという評価ではない
- 増えるのはお手入れの手間で、気をつける病気は短い毛の子と同じ
珍しいという言葉だけで見ていると、その子の性格や健康を確かめる目が後回しになります。仕組みが分かっていれば、落ち着いて向き合えます。
同じように、見た目の思い込みと実際のずれを整理した記事もあります。あわせて読んでみてください。

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