ペットショップやブリーダーの一覧で、大理石のようなまだら模様の子を見つけて手が止まる。シルバーダップルという毛色は、そんな出会い方をすることが多い色です。
ただ、調べ始めると「珍しい」「値段が高い」「ダブルダップルは危険」といった言葉が並び、何をどこまで気にすればいいのかが分かりにくくなります。
この記事では、シルバーダップルがどういう毛色なのかを公式の犬種標準で確かめたうえで、模様や目の色、他のダップルとの違い、値段、迎える前に見ておく場所までを順番に整理しました。
- シルバーダップルは「ブラックタンがまだらに脱色した毛色」だということ
- 公式の犬種標準が、ダップルの地色を「常に濃い色」と決めていること
- 青い目や左右で色の違う目が出るのはなぜか
- レッド・チョコレート・ブルーの各ダップルとの見分け方
- 2026年1月から血統証明書の扱いが変わったダップル系の毛色が5つあること
- ダブルダップルとの違いと、白い部分の広さという見分けの手がかり
- 値段の相場と、柄以外で価格が動く5つの要素
- 迎える前に確認したい5つのことと、その確認の順番
シルバーダップルとはブラックタンがまだらに脱色した毛色です

シルバーダップルとは、ブラックタンを地色として、その黒い部分がシルバーや白系にまだらに脱色した毛色のことです。大理石のような模様が体のあちこちに散り、同じ柄の子は二頭といません。
脱色させているのはダップル遺伝子(マール遺伝子)と呼ばれるはたらきです。色をつくる細胞のはたらきを部分的に弱めるため、色が抜ける場所も広さもばらばらになります。
まずは基本のところを表にまとめました。ここから先の話は、すべてこの3行が土台になります。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 地色(ベース) | ブラックタン(黒地に眉・胸・手足の茶色) |
| 模様のでき方 | ダップル遺伝子が黒い部分を部分的に脱色する |
| 模様の出方 | 場所も広さもランダム。生まれるまで分からない |
| 目の色 | 黒が基本。青い目・左右で違う目になることもある |
| 別の呼び名 | ブラックタンダップルと呼ばれることもある |
ダップルはまだらやぶちを指す言葉です
ダップル(dapple)は、英語でまだら・ぶちという意味の言葉です。犬種の話に限らず、馬の毛色などにも使われます。
つまりダップルは色の名前ではなく、模様の入り方を指しています。だから「ダップル」の前には必ず地色を表す言葉が付き、シルバーダップル・レッドダップルのように呼び分けられます。
ここを押さえておくと、売り場で並んでいる毛色名がぐっと読みやすくなります。前半が地色、後半が模様、という並びで見ればいいだけだからです。
地色は濃い色と決められています
一般社団法人ジャパンケネルクラブ(JKC)の犬種標準では、ダップルについて「地色は常に濃い(ブラックまたはブラウン)」と定められています。JKC公式のダックスフンド犬種標準を2026年9月4日に確認しました。
続けて「不規則なグレーまたはベージュの小斑が望ましい(大きい斑は望ましくない)」とも書かれています。まだらは細かく散っているほうがよく、大きく抜けている状態は望ましくないという考え方です。
例外として挙げられているのはレッド・ダップルだけです。シルバーダップルは地色が黒なので、この規定にそのまま当てはまります。
大きさは体重ではなく胸囲で分けられています
毛色を調べていると、大きさの呼び分けも一緒に出てきます。ここも同じ犬種標準に書かれていて、基準は体重ではなく胸囲です。
測るのは生後15か月を過ぎた時点の胸囲で、次の3つに分かれます。
| 呼び分け | 牡の胸囲 | 牝の胸囲 |
|---|---|---|
| スタンダード | 37cm超〜47cm以下 | 35cm超〜45cm以下 |
| ミニチュア | 32cm超〜37cm以下 | 30cm超〜35cm以下 |
| カニーンヘン | 27〜32cm以下 | 25〜30cm以下 |
子犬のうちは、この数字で確定できません。両親の体重を聞いておくと、成犬になったときの見通しが立てやすくなります。
毛色と大きさは別々に決まるので、シルバーダップルだから小さい、ということもありません。柄と体格は分けて確かめてください。
売り場での呼び名と書類の書き方は別のものです
ここで一度、言葉の整理をしておきます。売り場で見る毛色名と、血統証明書に載る毛色名は、必ずしも同じ書き方ではありません。
シルバーダップルは通称として広く使われていますが、書類の上ではブラックタンをベースにしたダップルとして扱われます。呼び名が2通りあるだけで、指しているものは同じです。
この違いは、あとで出てくる「2026年1月からの扱いの変更」を読むときに効いてきます。変更の対象は書類上の毛色名で書かれているためです。

毛色の名前は同じ子でも書く人によって揺れます。気になったときは「地色は何色ですか」と聞くのがいちばん早いですよ。
シルバーダップルの模様とブルーアイが出る理由

シルバーダップルの見た目でよく話題になるのは、模様の出方と目の色の2つです。どちらも同じダップル遺伝子のはたらきから来ています。
色素に関わるはたらきなので、影響が出る場所は毛だけにとどまりません。目の色に出ることもある、と考えておくと理解しやすくなります。
同じ柄は二度と出ません
色が抜ける場所は決まっていないため、柄は一頭ずつまったく違います。背中を中心に大きく抜ける子もいれば、頭のてっぺんだけに散る子もいます。
兄弟でも柄はそろいません。同じ両親から生まれても、まったく別の見え方になることのほうが多いくらいです。
ここが「唯一無二」と言われる理由です。逆に言えば、写真で見た柄と同じ子を探すという選び方はできない毛色でもあります。
青い目や左右で色の違う目になることがあります
ダップル遺伝子は毛だけでなく目の色素にも影響することがあります。そのため、青みがかったブルーアイや、左右で色の違うオッドアイの子が生まれます。
片方の目の中だけ、瞳の一部が青くなることもあります。これは部分的に色素が薄くなった状態で、まだら模様が目に出ていると考えると分かりやすいです。
目の色は成長とともに変わることもあります。子犬のうちに青く見えていた目が、大きくなるにつれて濃くなっていくケースもあります。
青い目そのものは個性のひとつです。ただ、目やにが増える・まぶしがる・段差でつまずくといった様子が続くときは、色の話とは切り離して動物病院で相談してください。
成長とともに色みが変わることがあります
子犬のときの柄が、成犬になってそのまま残るとは限りません。被毛が生えかわるにつれて、まだらの境目がぼやけたり、シルバーの部分が広がって見えたりします。
色みの変化そのものは珍しいことではありません。毛質が変わる時期や季節の生えかわりでも、見え方は動きます。
気にかけたいのは、色ではなく地肌のほうです。毛が薄くなった場所に赤みやかさつきがあるときは、毛色の変化ではないので動物病院で見てもらってください。
迎えたあとに見た目が変わっていく点は、ミックス犬にも共通します。成犬になるまでの変化の追い方はチワプーの成犬の記事でも詳しく書いています。
シルバーダップルと他のダップルの違いを表で比べました

ダップルは地色の数だけ種類があります。名前が長くて覚えにくいのですが、前半の地色だけ見れば区別できます。
ここでは、売り場でよく見る4つのダップルを並べました。あわせて、2026年1月から書類上の扱いが変わった毛色も整理しています。
4つのダップルは地色で見分けます
4種を並べると、地色が濃いか薄いかで大きく2組に分かれることが見えてきます。犬種標準が「地色は常に濃い」と決めていることを思い出しながら見てください。
| 呼び名 | 地色 | 見え方 | 犬種標準での位置づけ |
|---|---|---|---|
| シルバーダップル | ブラックタン(黒) | 黒地にシルバー〜白のまだら | 地色が濃く規定に沿う |
| レッドダップル | レッド | 赤茶地に濃い小斑 | 「例外」として明記されている |
| チョコレートダップル | チョコレート(茶) | 茶地に淡いまだら | 地色が濃く規定に沿う |
| ブルーダップル | ブルー(薄い灰色) | 灰色地に淡いまだら | 2026年1月から扱いが変わった |
シルバーダップルが安定して見かける色なのは、地色のブラックタンがこの犬種のもともとの色だからです。土台の色が濃いぶん、まだらのコントラストもはっきり出ます。
混同されやすいのがブリンドルです。こちらはまだらではなく、レッドの地色に濃い縞が入った模様を指します。
まだらは輪郭がぼんやりと散り、縞は線として並びます。写真では見分けにくいので、迷ったときは体の側面を明るい場所で見せてもらってください。
模様の名前が違えば、生まれ方も違います。ダップル同士のかけ合わせに関する注意は、ブリンドルには当てはまりません。
2026年1月から血統証明書の扱いが変わる毛色があります
ここは、いま迎えようとしている人にいちばん関係するところです。2026年1月1日の登録分から、一部の毛色が血統証明書に「×印」で記載される対象になりました。
FCIの犬種標準が改正されたことにともなう変更で、ダックスフンドでは26色が対象です。JKC公式のお知らせに載っている一覧を、2026年9月4日時点の内容として読み取りました。
そのうち、ダップルと名の付くものだけを抜き出すと5つになります。
- ブルー・ダップル
- ゴールド・ダップル
- イザベラ・ダップル
- イエロー・ダップル
- シルバー&イエロー・ダップル
一覧の中に「シルバー・ダップル」「ブラック&タン・ダップル」という表記はありません。つまり、この記事で扱っているシルバーダップルは対象に入っていません。
ただし、名前が似ている「シルバー&イエロー・ダップル」は対象です。イエローが入るかどうかで扱いが変わるので、書類の表記は最後まで読んでください。
この変更は登録日を基準にしていて、それ以前に登録された子の書類が書き換わるわけではありません。迎える前に見るのは、その子の登録がいつなのか、という点になります。
対象になった毛色に共通するのは色素の薄さです
26色の一覧を並べてみると、ある傾向が見えてきます。ブルー・イザベラ・ゴールド・イエローといった、色素が薄い方向の名前が繰り返し出てきます。
ブルーは黒が薄まった灰色、イザベラは茶が薄まった色を指します。どちらも、濃い色から色素が抜けた側の呼び名です。
ここから考えられるのは、犬種標準が求めている「地色は常に濃い」という考え方と、一覧の並びがつながっているということです。薄い地色の組み合わせが、標準の外側へ整理されたと読めます。
この見方でいくと、シルバーダップルが一覧に入っていないのも筋が通ります。地色のブラックタンが濃い色だからです。

「×印」が付いても家族として迎えることに支障はありません。気にするかどうかは、展覧会や繁殖を考えるかどうかで変わってきます。
シルバーダップルとダブルダップルは別ものです

シルバーダップルとダブルダップルは、名前が似ていますが指しているものが違います。シルバーダップルは片方の親からダップルを受け継いだ子、ダブルダップルは両方の親から受け継いだ子です。
この違いは見た目の話ではなく、生まれ方の話です。そして、迎える前に確認しておきたいことのほとんどは、この違いから出てきます。
ダップル同士をかけ合わせたときに生まれます
ダップルの犬同士をかけ合わせると、両親からダップル遺伝子を受け継いだ子が生まれることがあります。これがダブルダップルです。
この組み合わせは避けるべきものとして広く共有されています。色素が極端に薄くなり、目や耳に影響が出ることがあるためです。
「ダップル同士は死産の確率が50パーセント」という数字を見かけることもあります。ただ、もとになった調査までたどれる形では示されていません。
数字を丸ごと信じるより、この組み合わせを避けるという考え方が広く共有されていると受け取るほうが実際の役に立ちます。迎え先を選ぶときの判断材料として使えるからです。
白い部分の広さが見分けの手がかりになります
写真だけで確実に見分けることはできませんが、手がかりはあります。ダブルダップルは白い部分が広く、体の大半が白く見えることが多いという点です。
シルバーダップルは黒地が残っていて、その上にまだらが散っている見え方になります。全身が白っぽく、まだらの境目がほとんど分からない子は、地色が濃いという規定から外れていきます。
ただし、これはあくまで見た目からの推測です。確実なのは両親の毛色を確認することなので、次のH2で扱う手順のほうを優先してください。
見た目に出ない「隠れダップル」があります
ここは、写真だけで判断できない理由そのものです。ダップル遺伝子を持っていても、まだら模様が見た目に出ない子がいます。
色が抜ける場所も広さもランダムなので、抜け方がごくわずかだと、ふつうのブラックタンやレッドに見えます。この状態が「隠れダップル」と呼ばれています。
親の見た目にダップルが出ていなくても、遺伝子としては持っている場合がある、ということです。だから両親の写真を見るだけでは足りません。
確かめる方法は、血統をさかのぼって説明してもらうことです。「親と祖父母にダップルはいますか」と聞くと、写真だけでは分からない部分まで話が広がります。
目と耳のことは早めに動物病院で相談します
色素が薄いことに関連して、視覚や聴覚に心配が出る場合があるといわれています。ここは飼い主が判断する部分ではありません。
家でできるのは、気づいたことを書きとめておくことです。診察のときに伝えられる材料になります。
- 呼びかけへの反応:背後から名前を呼んだとき、振り向くまでに時間がかかるか
- 物音への反応:インターホンや掃除機の音に気づいているか
- 段差での動き:見えている場所でつまずくことが増えていないか
- 暗い場所での様子:夕方以降に動きが慎重になっていないか
気になることがあれば、毛色の話とは切り離して動物病院で相談してください。早めに見てもらうほど、暮らしの中で工夫できることも増えます。
シルバーダップルが珍しいと言われる理由は3つあります

シルバーダップルは、定番のブラックタンやレッドに比べると出会える数が少ない毛色です。その理由は、大きく3つに分けられます。
かけ合わせが限られます
いちばん大きい理由がこれです。ダップル同士のかけ合わせを避けるとなると、片方の親だけがダップルという組み合わせに限られます。
そのうえ、ダップル遺伝子が子に伝わるかどうかは一頭ずつ違います。組み合わせを整えても、生まれてくる子が必ずダップルになるわけではありません。
一度の出産で生まれる子のうち、ダップルとして出る子は一部です。定番色のように「多く生まれた中から選ぶ」という探し方ができません。
希望の毛質や性別まで重ねると、候補はさらに減ります。探し始めてから出会うまでに時間がかかる毛色だと考えておくと、焦って決めずにすみます。
整った柄はさらに数が絞られます
ダップルとして生まれても、まだらの散り方が細かく整っている子はその中の一部です。犬種標準も、大きく抜けた斑は望ましくないとしています。
色が抜ける場所は決められないので、狙って作れるものでもありません。ここが「同じ柄を探せない」という話とつながります。
呼び名がそろっていないことも理由の1つです
これは見落とされがちな理由です。同じ毛色でも、シルバーダップル・ブラックタンダップル・シルバー&ダップルと表記が分かれます。
探すときの言葉が分かれるということは、検索したときに出てくる数も分かれるということです。実際の頭数以上に「見つからない色」に感じられます。
探している最中に見つからないときは、呼び名を変えてもう一度探してみてください。それだけで候補が増えることがあります。
シルバーダップルの値段の相場と価格差が出るところ

柄の希少性から、シルバーダップルは定番色より高くなりやすい毛色です。ただ、値段を動かしているのは柄だけではありません。
相場の目安は20万円台後半から30万円台です
販売サイトで公開されている平均価格を見ると、シルバー系はおおむね26万円前後に落ち着いています。実際の販売は、そこから上下に幅があります。
毛色の分類で見ると、単色より2色、2色より柄模様のほうが高くなる傾向があります。柄模様は40万円を超える価格帯で案内されていることもあります。
相場は時期や地域で動くので、金額そのものは目安として見てください。迎える段階では、いま出ている実際の販売価格で確かめることになります。
値段が動くのは柄だけではありません
同じシルバーダップルでも、価格に10万円以上の開きが出ることがあります。柄以外に、次の5つが値段を動かしています。
- 顔立ち:マズルが短く目が丸い子は高くなりやすい
- 足の短さ:胴長短足がはっきりしているほど高くなりやすい
- 大きさ:体が小さいほど高くなる傾向がある
- 月齢:生後3か月前後がいちばん高く、月齢が進むと下がる
- 性別:メスのほうが数万円高いことが多い
この5つを知っておくと、安い子を見つけたときに理由を読み解けます。月齢が進んだから、という理由なら健康とは関係がないからです。
迎え先によっても価格帯が変わります
同じ子でも、どこから迎えるかで価格帯は動きます。ブリーダーから直接迎える場合と、ペットショップで迎える場合で、価格の付き方が違うためです。
ブリーダーからの場合は、親犬や生まれ育った環境を直接見られることが多く、健康や遺伝の話も聞きやすくなります。一方で、住んでいる地域によっては会いに行く距離が出ます。
ペットショップの場合は、複数の子を同じ日に見比べられるのが利点です。ただ、両親の毛色や血統については、その場で確認をお願いすることになります。
どちらが良いかではなく、ダップルの話をきちんと聞ける相手かどうかで選ぶほうが確実です。値段の数万円の差より、そこで得られる情報のほうが後から効いてきます。
迎えたあとに続くお金も一緒に考えます
迎えるときのお金は一度きりですが、暮らし始めてからのお金は毎月続きます。3つの層に分けて考えると見通しが立ちます。
- 迎えるとき:生体代のほか、ケージ・食器・トイレなどの用意
- 毎月:フード代とトイレシーツなどの消耗品
- 毎年と突発:ワクチン・健康診断と、体調をくずしたときの診察代
柄が珍しいことで増える費用はありません。生体代の差はありますが、暮らし始めてからのお金は毛色で変わらないと考えて大丈夫です。
シルバーダップルを迎える前に確認したい5つのこと

ここが、この記事でいちばん実際に使ってほしい部分です。柄の美しさを見るのは最後で構いません。先に確かめる場所が5つあります。
私はこう思っています。迎える前に見るべきなのは、その子の柄ではなく、両親の毛色と説明のされ方です。柄は生まれたときに決まっていて選べませんが、迎え先の選び方はこちらで選べるからです。
順番も大事なので、上から順に確かめてください。
両親の毛色を確認します
いちばん最初に確かめるのがここです。両親のどちらか片方だけがダップルかどうかを聞いてください。
両親ともにダップルという答えなら、ダブルダップルの可能性を考えることになります。ここで言葉をにごされるようなら、その時点で判断材料になります。
見た目に模様が出ていなくても、ダップル遺伝子を持っている場合があります。だから写真ではなく、書類と説明で確かめることになります。
血統証明書の毛色の書き方を見ます
2つめは書類です。血統証明書に書かれている毛色名と、案内されている呼び名が一致しているかを見てください。
先に触れたとおり、2026年1月1日以降の登録分では、対象の毛色に「×印」が記載されます。ダップル系ではブルー・ゴールド・イザベラ・イエロー・シルバー&イエローの5つが対象です。
印が付くこと自体は、家族として迎えるうえで問題になるものではありません。ただ、あとで知って驚くよりは、先に見て納得しておくほうが気持ちが楽です。
目と耳の反応をその場で見ます
3つめは、会いに行ったときに見る部分です。診断はできませんが、様子は見られます。
おもちゃを転がしたときに目で追うか、背後で軽く音を立てたときに反応するか。この2つだけでも、気になる点があるかどうかは分かります。
気づいたことがあれば、その場で伝えて説明を聞いてください。そのうえで判断に迷うときは、迎える前に動物病院で相談する方法もあります。
説明の丁寧さを見ます
4つめは、人のほうを見る項目です。健康や遺伝のことを聞いたときに、はぐらかさずに答えてくれるかを見てください。
「珍しい色ですよ」と希少さだけを押してくる説明は、判断の材料になりません。逆に、心配な点も含めて話してくれる相手なら、迎えたあとも相談できます。
親犬の様子や飼育している場所を見せてもらえるかも、あわせて確かめておきたいところです。
里親や保護犬という迎え方もあります
5つめは、迎え方そのものの選択肢です。販売以外に、里親募集や保護団体からという道もあります。
成犬から迎える場合は、柄も体格も性格の傾向もすでに分かっています。子犬のときの「どう育つか分からない」がない、という良さがあります。
柄で選びたい気持ちがあるほど、選択肢は狭くなります。まず暮らし方から考えて、そのうえで柄を見る順番のほうが、結果として納得しやすいと思っています。
正直に書くと、この毛色は「今日見た子を今日決めたい」という迎え方には向きません。両親の毛色と血統をたどるところまで確かめようとすると、どうしても時間がかかるからです。
その場で決めなくてもいい、と自分に許しておくだけで、確認したいことを落ち着いて聞けます。5つの確認をひととおり終えてから返事をする、くらいの間の取り方で私はちょうどいいと思っています。
シルバーダップルの性格の傾向とお手入れで気をつけるところ

毛色によって性格やお手入れの手間が変わることはありません。変わるのは毛質のほうです。
毛色で性格は決まりません
販売の紹介文では「おっとりしている」「人懐っこい」といった言葉をよく見かけます。ただしそれはその子の紹介であって、毛色の性質ではありません。
この犬種で性格の傾向として語られるのは、毛色ではなく毛質のほうです。スムースは活発、ロングは穏やか、ワイヤーは気が強い、という言われ方をします。
それも傾向にすぎず、実際には個体差のほうがずっと大きく出ます。同じ毛質の兄弟でも、遊び方も甘え方もそろいません。
もともとは地面の下まで追う猟犬なので、掘る・追う・大きな声を出すという行動はどの毛色にも共通します。柄で性格を選ぼうとしないほうが、迎えたあとのずれが少なくなります。
毛質によってお手入れが変わります
この犬種の毛質はスムース・ロング・ワイヤーの3種類です。同じシルバーダップルでも、毛質によって毎日の手入れが変わります。
スムースは短い毛が密に生えていて、拭き取りとブラッシングで整います。ロングは耳・胸・しっぽの毛が長く、もつれやすい場所を重点的にとかします。
まだらの模様がいちばんはっきり見えるのはスムースです。ロングは毛の重なりで境目がやわらかく見えるので、同じ柄でも印象が変わります。
日々の暮らしで背中に負担をかけない
毛色に関係なく、この犬種で気をつけたいのが腰と背中への負担です。胴が長いぶん、着地の衝撃が集中します。
ソファやベッドからの飛び降りを減らす、よく走る場所に滑り止めを敷く、体重を増やしすぎない。この3つが日々できることです。
歩き方がいつもと違う、抱き上げたときに嫌がる。こうした様子があるときは、様子見をせず動物病院で相談してください。
週1回の写真で柄の変化を残します
柄が変わっていく毛色だからこそ、記録が役に立ちます。週に1回、同じ場所・同じ明るさで背中の写真を撮っておいてください。
まだらの見え方はゆっくり変わるので、毎日見ていると気づけません。並べて比べたときに初めて、広がったのか薄くなったのかが分かります。
この記録は、地肌に変化が出たときにも役立ちます。いつごろから変わったのかを診察で伝えられるようになるからです。

スマホのアルバムを1つ作って、週末に1枚だけ入れておくと続けやすいですよ。
シルバーダップルに関するQ&A

検索されることの多い疑問を6つ集めました。ここまでの内容と重なる部分は、要点だけ短くまとめています。
シルバーダップルは珍しい毛色ですか
定番のブラックタンやレッドに比べると、出会える数は少なめです。ダップル同士のかけ合わせを避けるため、組み合わせが限られることが理由です。
そのうえ、まだらが細かく整った子はさらに数が絞られます。呼び名が分かれていることも、見つけにくさにつながっています。
シルバーダップルとダブルダップルはどう違いますか
片方の親からダップルを受け継いだ子がシルバーダップル、両方の親から受け継いだ子がダブルダップルです。生まれ方の違いなので、見た目だけで確実には分かりません。
目安になるのは白い部分の広さです。体の大半が白く見える場合は、両親の毛色を確認してください。
ブルーアイは病気のサインですか
青い目そのものは、色素が薄いことによる個性です。ダップル遺伝子が目の色素にも影響するために起こります。
ただし、まぶしがる・目やにが増える・段差でつまずくといった様子が続くときは別の話になります。毛色と切り離して動物病院で相談してください。
シルバーダップルの値段はどのくらいですか
販売サイトの平均価格で見ると26万円前後、実際の販売は20万円台後半から30万円台が中心です。柄が整っている子はさらに高くなることがあります。
ただし、顔立ち・足の短さ・大きさ・月齢・性別でも動きます。柄だけを理由に高い安いを判断しないほうが確実です。
シルバーダップルは飼いにくいですか
毛色によって飼いにくさが変わることはありません。性格の傾向は毛質による違いのほうが語られますが、それも個体差のほうが大きいものです。
暮らしで気をつけることは、この犬種に共通する腰と背中の負担です。柄の話とは分けて考えてください。
シルバーダップルとシルバー&ダップルは同じですか
どちらも同じ毛色を指していることがほとんどです。ブラックタンを地色にしたダップルの呼び名が、書き手によって分かれているだけです。
ただし「シルバー&イエロー・ダップル」は別の毛色で、2026年1月からの対象一覧に入っています。イエローが付いているかどうかで意味が変わるので、そこだけ読み分けてください。
子犬のときの柄は成犬になっても同じですか
まだらの位置は大きく変わりませんが、見え方は変わります。成長にともなって被毛が生えかわると、境目がぼやけたりシルバーの部分が広く見えたりします。
写真で見た印象と、成犬になってからの印象がずれることは珍しくありません。週に1回、同じ場所で撮った写真を並べておくと、変化の速さがつかめます。
血統証明書に×印が付くと問題がありますか
家族として迎えるうえで支障になるものではありません。犬種標準の範囲かどうかを示す記載で、健康や性格を表すものではないからです。
気にする必要が出てくるのは、展覧会への出陳や繁殖を考える場合です。シルバーダップル自体は、2026年1月からの対象一覧には入っていません。
まとめ:シルバーダップルの特徴と迎える前の確認
この記事では、シルバーダップルがどういう毛色なのかと、迎える前に確かめておきたいことを整理しました。要点は次のとおりです。
- ブラックタンを地色に、黒い部分がまだらに脱色した毛色
- 犬種標準では、ダップルの地色は「常に濃い」と決められている
- 色が抜ける場所は決まらないので、同じ柄は二頭といない
- 青い目や左右で違う目が出るのは、目の色素にも影響するため
- 2026年1月からのスタンダード外の一覧に、シルバー・ダップルの表記は無い
- ダブルダップルは両親からダップルを受け継いだ子で、別のもの
- 相場は26万円前後を中心に、顔立ち・月齢・性別でも動く
迎える前の順番は、両親の毛色、血統証明書、目と耳の様子、説明の丁寧さ、迎え方の選択肢の5つです。柄を見るのはそのあとで間に合います。
珍しい色だと聞くと、出会えたときに急いで決めたくなります。ただ、この毛色でいちばん大事なのは柄の美しさではなく、どういう組み合わせから生まれた子なのかという部分でした。
迎えたあとは、週に1回の写真で柄の移り変わりを残しておいてください。数か月分を並べたときに、その子だけの模様がどう育ったかが見えてきます。
気になることが出てきたときは、ひとりで抱えずに動物病院で相談してくださいね。

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