柴犬はどこの国の犬?日本原産のルーツと3つの系統や歴史も

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柴犬はどこの国の犬?日本原産のルーツと3つの系統や歴史も

日本の犬だというのは分かるのに、どこの国が原産なのかと聞かれると答えに詰まりますよね。日本犬という言い方と犬種の名前が混ざって、どこまでが正式な話なのかも見えにくくなります。

柴犬はどこの国の犬かというと、国際的な犬種の登録でも原産国は日本と記されています。その先にある「では日本のどこから来たのか」という話になると、島根県にいた1頭の犬が出てきます。

ルーツになった石州犬から3つの系統、韓国起源といわれる理由まで、確かめられたところを順に並べました。

この記事でわかること
  • 原産国として登録されている国
  • ルーツになった島根県の石州犬
  • 3つの系統と呼び名の違い
目次

柴犬はどこの国の犬かというと日本が原産国

柴犬はどこの国の犬かというと日本が原産国

柴犬はどこの国の犬かというと、原産国は日本です。日本の中だけでそう呼ばれているのではなく、世界の愛犬団体が共有している犬種の登録でも、原産の国の欄に日本と記されています。

「日本犬だから日本でしょう」で終わらせず、どこに何と書かれているのかを先に見てください。そのあとの歴史の話が、ずっと読みやすくなります。

国際的な犬種登録の原産国の欄は日本

国際畜犬連盟の犬種登録では、原産国の欄が日本になっています。2026年10月2日時点で、国際畜犬連盟の犬種ページに犬種番号257として載り、原産の国が日本と記されていることを確かめました。

同じページには、この団体が犬種として正式に認めたのが1964年3月18日で、いま使われている犬種の基準が2016年10月30日に公表されたものだとも書かれています。分けられているグループは第5グループ、スピッツと原始的な犬種のグループです。

つまり原産国の話は、日本の中の言い伝えではなく、国をまたいだ登録の上で決まっているということになります。ここが揺れることはまずありません。

日本犬の中で唯一の小型犬種として扱われている

日本犬の中で小型に分けられているのは、この犬種だけです。公益社団法人日本犬保存会のページに、日本犬の中で唯一の小型犬種だと書かれています。

同じページには、国の天然記念物に指定されたのが昭和11年12月であることと、いま日本で飼われている日本犬種の80%ほどを占めることも書かれています。登録される数は年間3万頭ほどです。

原産国の話と合わせると、日本で生まれて日本でいちばん多く飼われている犬種ということになります。小型か中型かで扱いが分かれる場面は、体の大きさの分類をまとめた記事で並べています。

呼び名は中部の山岳地方で使われていた

柴犬という呼び名は、中部山岳地方で使われていたものだと保存会が書いています。全国で同じ名前が使われていたのではなく、ある地域の言い方が犬種の名前として残った形です。

名前の由来については、柴の色に似ているから、小さいものを柴と呼んだから、といった説が語られています。どれが正しいと決まったわけではないので、ここは説が並んでいる状態だと考えられます。

由来の説をいくつも読むより、呼び名が地域から広がったという順番を押さえると整理しやすいですよ。

柴犬のルーツは島根県にいた石州犬の石号

柴犬のルーツは島根県にいた石州犬の石号

いまの柴犬のルーツは、島根県益田市にいた石州犬の石号という1頭です。日本のどこから来たのかという問いに、保存会は地名と犬の名前まで出して答えています。

1頭の名前が出てくるのは、犬種としての形がそこから整えられていったからです。順番に見ていきます。

石号は昭和11年に発見されて血統登録された

石号が見つかって血統登録されたのは1936年です。島根県益田市にいた石州犬で、保存会はこの犬を現在の柴犬の祖犬として挙げています。

同じ年に、国の天然記念物の指定も行われています。犬種として守る形が整った時期に、その中心になる犬が見つかったという並びです。

石号の子孫がいまの血筋につながっている

石号の子孫をたどると、戦後の立て直しを支えた犬までつながります。石号と四国産のコロ号からアカ号が生まれ、アカ号と鳥取産のハナ号から紅子号が生まれました。

さらにアカ号と明月号からアカ二号が生まれ、そのアカ二号と紅子号から中号が生まれています。保存会はこの中号を、戦後の中興の祖と呼んでいます。

そして年間3万頭ほどの登録は、父方をたどると石号に行き着くとも書かれています。家にいる犬の血筋も、島根県の1頭につながっているということになります。

この流れで目を引くのは、組み合わせた相手の出どころです。四国産のコロ号、鳥取産のハナ号と、地域をまたいだ犬が入っています。

地域ごとに呼び分けられていた犬を、産地を越えて組み合わせていったということになります。1つの土地の犬だけを残したのではなく、各地の犬から1つの犬種を組み上げたと考えられます。

石号の里は益田市美都町に残っている

石号の出生地は、益田市美都町の二川地区です。益田市の観光公式ページによると、この地区に石号の石像と資料室が置かれています。

所在地は益田市美都町板井川で、双川峡の近くにあります。萩・石見空港から車で45分ほどの場所です。

ルーツの話が地図の上の一点として残っているのは、犬種としては珍しいことだと思います。行ける距離にお住まいなら、歴史の話が急に実物になります。

柴犬の歴史は縄文や弥生の時代までさかのぼる

柴犬の歴史は縄文や弥生の時代までさかのぼる

柴犬の歴史は、古代から人のそばで暮らしていたところまでさかのぼります。保存会は、一説に縄文時代から、また弥生時代から人間社会の中で共生していたとしています。

日本犬6犬種の中でも、もっとも古い時代から存在していた犬種だとも書かれています。ただし年代には幅があるので、そこは言い切られていません。

年表で見る犬種としての歩み

年表にすると、柴犬の歩みが2つの時間に分かれていると分かります。確かめられた出来事を、起きた順に並べました。

時期起きたこと
古代(一説に縄文・弥生)人間社会の中で共生していたとされる
昭和3年(1928年)日本犬保存会が設立される
昭和7年(1932年)10月血統書の事業が始まる
昭和11年(1936年)石州犬の石号が見つかり血統登録される
昭和11年(1936年)12月国の天然記念物に指定される
戦中から戦後3〜4年保存の活動がほぼ止まる
戦後中号が中興の祖と呼ばれるようになる

こうして並べると、古代からの長い時間と、昭和のわずか十数年が別の性質を持っていると分かります。前者は犬として暮らしていた時間、後者は犬種として記録され始めた時間です。

順番にも意味があります。保存会ができたのが昭和3年で、血統書の事業が始まったのは昭和7年10月なので、団体が先にできて記録の仕組みは4年あとから動き出しています。

戦中に数が減り戦後に立て直された

戦中から戦後の3〜4年は、保存の活動がほぼ止まっていました。せっかく整えられた血統書の仕組みも、この時期に動かなくなっています。

そこから立て直す過程で中心になったのが、先に名前を挙げた中号です。中興の祖という呼び方は、一度途切れかけた流れをつないだという意味だと考えられます。

いまこれだけ身近にいる犬種が、90年ほど前には数を減らしていたということになります。歴史が古いことと、いま数が多いことは、まっすぐにはつながっていません。

柴犬の系統は山陰と信州と美濃の3つに分かれる

柴犬の系統は山陰と信州と美濃の3つに分かれる

保存会が主な系統として挙げているのは、山陰柴と信州柴と美濃柴の3つです。地域ごとの呼び名で発展した時期があったとも書かれています。

この3つと、よく見かける別の呼び名は、同じ土俵に乗っていません。並べて確かめてください。

呼び名として使われている言葉を並べる

呼び名として使われている言葉のうち、主な系統に入っているのは3つだけです。残りは体の特徴や地域を指す言い方として使われているものと考えられます。

呼び名どこから来た言い方か主な系統に入っているか
山陰柴地域ごとに発展した時期の呼び分け入っている
信州柴地域ごとに発展した時期の呼び分け入っている
美濃柴地域ごとに発展した時期の呼び分け入っている
地柴地域に残っていた犬をまとめて指す言い方入っていない
豆柴体の小ささを指す言い方入っていない

豆柴の扱いが気になる方は、豆柴を迎える前に知っておきたいことをまとめた記事にそろえています。呼び名と登録は別の話として読んでください。

地域の呼び名が1つの犬種にまとまった

地域ごとに呼び分けられていた犬が、1つの犬種としてまとめられました。保存会が血統書の事業を始めた昭和7年以降、記録の形が全国で共通になっていきます。

そのため系統の名前は、別の犬種の名前ではなく、同じ犬種の中の出どころを指す言い方として残っていると考えられます。見た目の違いが語られることもありますが、どの系統も柴犬です。

もうひとつ押さえておきたいのが、祖犬の出どころと系統の関係です。石号がいた島根県は、主な系統のうち山陰柴の土地にあたります。

そこへ四国産と鳥取産の犬が重ねられて、戦後の中興の祖と呼ばれる犬までつながっています。系統の名前が残りながら、血筋のほうは早い段階で地域をまたいでいたということになります。

柴犬の祖先は狼とつながる古い犬とされている

柴犬の祖先は狼とつながる古い犬とされている

祖先については、確かめられるのは「日本犬の中でもっとも古い時代から人のそばにいた」というところまでです。狼から分かれた時期を示す記述は、保存会のページにはありません。

祖先と狼を並べた言い方はよく見かけます。どこまでが確かな話なのかを分けておきます。

古代から人のそばで暮らしてきた

古代から人間社会の中で共生していたとされています。一説に縄文時代から、また弥生時代からという書き方で、年代には幅が残されています。

日本犬6犬種の中でもっとも古い時代から存在していたとも書かれています。狩りの相棒として人と組んできた時間が長いぶん、今の気質にも残っているのではないでしょうか。

飼い主が困りやすい行動の背景は、性格のあるあるを整理した記事にまとめています。

狼そのものではないと考えられる理由

狼そのものではないと考えられる理由は、言い方が2つ混ざっているところにあります。狼に近いという言い方は見た目や気質の印象、狼の子孫だという言い方は血筋の話です。

国際的な登録ではスピッツと原始的な犬種のグループに入っていて、古い型を残した犬として扱われています。ただしこれは分類上の位置で、狼と直接つながることを示したものではありません。

祖先をめぐる話は研究が進めば書き換わる領域です。数字をひとつ示して言い切る説明を見かけたら、どこが出どころなのかを確かめるのが安全だと思います。

柴犬が韓国起源といわれる理由を考える

柴犬が韓国起源といわれる理由を考える

韓国起源という話については、そう記した公的な資料はありません。原産国は日本として登録されていて、別の国を原産とする記述は、公的な資料では確かめられていません。

それでもこの疑問が繰り返し持たれるのには、理由があるはずです。噂が出る側の事情から考えます。

韓国起源とする公式の記載は見つからなかった

韓国起源とする公式の記載は、国際的な犬種登録にも保存会のページにもありません。どちらも原産の国を日本としています。

原産国は、思い出や印象で決まるものではなく登録の上で定まっています。その欄が日本になっている以上、起源を別の国に置く説には出どころが要ります。

それでも噂が出る理由を3つ考えてみる

噂が出る背景として考えられるのは3つです。どれも確かめられた事実ではなく、言葉の仕組みから考えたものです。

  • 国際的な分類で、アジアのスピッツとその近い仲間がひとつの枠にまとめられている
  • 「日本犬」という言い方が国の名前を含むため、国どうしの話に結びつきやすい
  • 古代までさかのぼる歴史は年代に幅があり、どこから来たのかを言い切りにくい

1つ目の枠には、東アジアの似た体つきの犬が一緒に入ります。見た目が近い犬が同じ枠にいると、起源も同じではないかという話につながりやすいのだと考えられます。

3つ目も大きいと思います。登録の上では日本と決まっていても、何千年の話になると「それ以前はどこから」という問いが残り続けます。

柴犬はどこの国でも同じ犬種として登録されている

柴犬はどこの国でも同じ犬種として登録されている

海外での扱いについては、国をまたいだ登録に犬種として入っていることまでが確かめられます。1964年3月18日に正式に認められ、犬種の基準も公表されています。

一方で、どれくらい飼われているかという数字は、国ごとの集計が手元にそろわないと言い切れません。確かな部分とそうでない部分を分けておきます。

スピッツに近い仲間として分けられている

分類はスピッツと原始的な犬種のグループで、その中のアジアのスピッツとその近い仲間という区分です。巻いた尾と立った耳、厚い毛というつくりが、この枠の特徴にあたります。

この区分に入っているので、どの国の審査でも同じ基準で見られます。原産国が日本であることと、世界共通の枠で扱われていることは両立しています。

認められた1964年という年も、年表に重ねると見え方が変わります。保存の活動が止まっていた時期から20年ほどで、国をまたいだ登録に入ったことになります。

海外での人気の度合いは数字で確かめられなかった

海外の飼育頭数や登録数の公的な数字は、今回確かめられていません。そのため「何番目に人気」のような言い方はしません。

はっきりしているのは、国際的な登録に60年以上前から入っていて、世界で共有される犬種の基準が用意されているところまでです。基準が維持されている犬種は、各国で繁殖や審査の対象になり続けていると考えられます。

数字が要るときは、各国の愛犬団体が出している登録頭数を見るのが筋だと思います。日本の数との比べ方も、同じ種類の資料どうしで並べてください。

柴犬の原産国を知ると迎えるときの見方が変わる

柴犬の原産国を知ると迎えるときの見方が変わる

原産国と歴史が分かると、目の前の犬のつくりが読めるようになります。寒さに耐える毛や巻いた尾は、過ごしてきた土地と仕事の名残です。

生まれた土地と、そこで任されていた仕事が、体つきと気質の両方に残っています。見るところを決めておくと、毎日の世話の判断も早くなります。

犬種としての歴史と列島にいた犬の歴史は分けて考える

私は、この2つを分けて考えています。犬種としての柴犬は昭和に入ってから形を整えられたもので、日本列島にいた犬としての時間は古代までさかのぼる、という2段です。

根拠は記事の中の2つです。1つは血統書の事業が昭和7年10月に始まり、祖犬とされる石号が昭和11年に登録されたこと。もう1つは、共生していた時代が「一説に縄文から、また弥生から」と幅のある書き方で示されていることです。

分けて考えると、「何千年前からいる犬種」という言い方のどこが正しくてどこが大ざっぱなのかが見えます。古いのは犬としての時間で、犬種としての記録は百年ほどです。

家で確かめられる観察ポイント

原産の話は、家の中で3つの場所に出てきます。今日そのまま見られるところだけを挙げます。

  • 尾の巻き方と耳の立ち方。スピッツに近い仲間の枠に入る特徴です
  • 毛の抜け方。寒い土地で過ごしてきた犬のつくりが、春と秋の抜け方に出ます
  • 毛色。保存会が挙げている三毛色のどれに近いかを見ます

毛の抜け方については、毛の構造と換毛期をまとめた記事に見分け方を置いています。季節ごとの変化は数週間かけて進むので、同じ場所で写真を残すと比べやすくなります。

古さを売り文句にした説明は持ち帰って考える

歴史の古さを値段や希少さの理由にする説明は、その場で決めずに持ち帰ってください。古代からいることは犬種に共通の背景で、1頭ごとの価値を決めるものではありません。

系統の名前や「◯◯柴の血が入っている」という言い方も同じです。どの系統も同じ犬種なので、系統名そのものが品質の保証になるわけではないと考えられます。

迷ったら、書類に書かれている犬種名と登録した団体の名前を確かめるところから始めてください。

柴犬はどこの国の犬かに関するQ&A

柴犬はどこの国の犬かに関するQ&A

残りの疑問に短く答えます。

柴犬は日本発祥ですか?

日本発祥です。国際的な犬種登録の原産国の欄が日本になっていて、保存会も日本犬の中でもっとも古い時代から存在した犬種としています。

ただし犬種として記録され始めたのは昭和に入ってからです。発祥の古さと、犬種としての歴史の長さは別に数えてください。

原産国はどの国として登録されていますか?

日本として登録されています。国際畜犬連盟の犬種番号257のページで、原産の国の欄に日本と記されていることを確かめました。

正式に認められたのは1964年3月18日で、いま使われている犬種の基準は2016年10月30日に公表されたものです。

韓国起源という話は本当ですか?

韓国起源とする公的な記述はありません。国際的な登録と保存会のページは、どちらも日本を原産としています。

噂が出る理由としては、アジアのスピッツが分類でひとつの枠に入っていること、日本犬という呼び方が国の名前を含むこと、古代の話は年代に幅があることが考えられます。

外国でも人気があるのですか?

外国でも犬種として扱われていて、国際的な登録には60年以上前から入っています。ただし海外の飼育頭数や登録数の公的な数字は確かめられていません。

人気の順位を知りたいときは、各国の愛犬団体が公表している登録頭数を見てください。同じ種類の資料どうしで並べるのが大事です。

いつから日本にいるのですか?

いつから日本にいるのかは、一説に縄文時代から、また弥生時代からとされています。保存会のページにこの書き方で示されていて、年代は幅を持たせたままになっています。

一方で、血統書の事業が始まったのは昭和7年10月、祖犬とされる石号の登録は昭和11年です。記録が残る歴史はここからになります。

祖先は狼なのですか?

祖先が狼だと言い切れる記述は、保存会のページには出ていません。確かめられるのは、日本犬の中でもっとも古い時代から人のそばにいたというところまでです。

国際的な分類では原始的な犬種のグループに入っていますが、これは古い型を残した犬という位置づけで、狼と直接つながることを示すものではありません。

系統は何種類ありますか?

主な系統として挙げられているのは3つです。山陰柴・信州柴・美濃柴で、地域ごとの呼び名で発展した時期があったとされています。

地柴や豆柴はこの3つに入っていません。どちらも地域や体の小ささを指す言い方として使われているもので、犬種としては同じ柴犬にあたると考えられます。

まとめ:柴犬はどこの国の犬かと歴史

柴犬はどこの国の犬かというと、国際的な犬種登録でも原産国は日本です。ルーツは島根県益田市にいた石州犬の石号で、いまの登録は父方をたどるとこの1頭に行き着きます。要点は次の3つです。

  • 原産国の欄は日本になっている
  • ルーツは島根県の石州犬の石号
  • 主な系統は山陰と信州と美濃の3つ

まずは尾の巻き方と耳の立ち方を見てみてください。あわせて読みたい記事です。

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